TS820用の外部DDS−VFO(VFOsys改)を繋いで、本体のアナログVFOの代わりのDDS-VFOという形での実機での動作確認をすることにしました。受信(RX)、及び送信(TX)での確認です。
少し早いかもしれませんが、組み込んでしまってからでは、問題があった場合の取り外しの手間がかかり面倒となるので、先ずはTS820本体に入れるバンド情報のシリアルデータ送出用のArduinoNANO基板をプラスチックのような絶縁紙で囲い当初取り付けする場所にした本体VFOの横に仮置きしました。その状態で上側のケースをネジ止めせずに置きます。この状態でシリアルデータ線だけが上側のケースと本体の隙間から取り出し、外のTS820DDS−VFO(VFOsys改)に繋ぎます。TS820DDS-VFOの電源は、オリジナルのVFOと同じリレーが取り付けされている基板から繋ぎました。本体とは、元々のVFO用ケーブルで繋ぎます。シリアル通信線だけが仮に隙間からESP32DevKitCのデコードボードのTX、RX、GNDに繋ぎます。ESP32DevKitCのソケットに直接、TX、RX、GND線はジャック側にTS820からのシリアル通信線のプラグ3本がきて、それと繋ぐジャック付きのワイヤーの反対側は既に直接ソケットに直半田付け処理してあります。シリアル線を繋いで、TS820本体のFUNCTIONは VFOに、外部DDS-VFO(VFOsys改)側のFUNCTIONはREC XMITの(送受信とも外部DDS-VFO(VFOsys改))ポジションにしておいて、TS820の電源を入れます。最初は受信(RX)の確認から行っていきました。
写真は撮り忘れましたが、TS820の上側のケースの上にTS820DDS−VFO(VFOsys改)を置いてESP32DevKitCのDDS及びデコード基板は修正出来る状態にフリーにしておきました。まずは、単純なシリアル通信が上手く動作するかです。既に仮実験で確認していたのと同じで特に変な動作はしませんでした。問題ありません。次は、バンドを局数の多い7MHzにしてDDS-VFO(VFOsys改)のロータリーエンコーダーでワッチしてみました。受信も特にTS820本体のアナログVFOと差は全く感じられません。ここで、TS820本体のRFのボリュームを絞っておいて、AFのボリュームを上げて見ました。なぜ、このようなことをしたかと言うと、何気なしにRFを絞った時にビート音のようなものが聞こえた感じがしたので、もしかしたら何かDDSのデジタルノイズではないかと思い、同じ様にRFをしぼってボリュームを大きくして確認してみました。な、なんとこの状態でDDS-VFOのロータリーエンコーダーを回すと、周波数の変化に同期してパルスノイズが大きく聞こえるではないですか!しかもロータリーエンコーダを回していないときもデジタルのビートノイズが聞こえます。 この瞬間、失敗したかな!と思いましたが、未だ何も原因も探っていませんので、まずは原因探索をしなければなりません。受信確認どころではありません。受信時は受信ノイズレベル以下なので全く気にならないのですが、RFを絞ると、パリパリと言う感じのエンコーダーの回転に合わせた気になるノイズが聞こえます。
確認することは明白です。ESP32DevKitCから出ている線をはずしてみてどうかの確認です。電源は外せないのでそれ以外に出ている線を1本1本外します。1本外してもノイズ変わらずなら、もとに戻し次の線、と基本に忠実に順番に確認してゆきます。1本づつ外した時にノイズが変わらずなら次は2本、これでも変わらずなら3本という具合に外してゆき、それでもだめなら全部外すといった具合に行いノイズが消えるか確認しました。この結果基板から出ている線を全部はずしても、デジタルのビートノイズはきえませんでした。これで原因は電源の+側か、GNDのどちらかということになります。
対策は、一般的にノイズ低減用としてはインダクタンスが適しています。手持ちの購入して合った大きめの1mHのインダクタンスを使ってみることにしました。GND側はVFOコネクタから、リレー基板へ配線されています。このグランドとDDS-VFO(VFOsys改)の基板のGNDの間にインダクタンスを入れてみました。結果は、3mHまで増やしても何らデジタルノイズのビートは変化ありませんでした。まずはGNDではないとして、電源の+9Vラインの確認です。同じようにリレー基板へ配線されているのでここから基板へはコネクターで繋いでいますので、その間にインダクタンスを1mHを入れてみました。変化はありません。シリーズに2mHにしてみました。すると、デジタルノイズのビートが少し音色が変わったかの様な感じに聞こえました。少しビートが減ったのかもと言ったところです。すぐさまシリーズに3mHになるようにインダクタンス追加です。かなりビートが減っているのが明白になりました。原因は+9Vラインからのノイズが重畳して、電源がAFラインまで繋がっている為に電源のノイズがAF回路で悪さして、ビートノイズオーディオラインで聞こえたと推定されます。本当にインダクタンスが効果出ているかの確認も行います。デジタルノイズがインダクタンスをショートして大きくなる事の確認です。
おおよそ原因が明白になったので、ジャンク基板からかなり大きな103のインダクタンス(10mHを取り外してESP32DevKitCの電源+9Vラインに入れました。これでほぼわからない程度までノイズ低減出来ました。あまり大きくすると電圧降下があるので、適切な値を選ぶ必要があります。大きすぎると動作不安定になる場合があります。また、電流が流れるので、インダクタンスのコアの発熱も若干あるようです。触ってみて確かめる必要もあります。
先ずはこの対策で、様子を見ることにしました。
受信でのデジタルノイズでは、ドキッとしましたが、対策できましたので、送信の確認を行いました。
100W程度の出力時、DDS−VFO(VFOsys改)のESP32DevKitCと本体のArduinoNANO基板への回り込みがないかどうかを確認しました。7MHzだけでの送信確認だけですが、幸いなことに、何ら問題は無いようです。
実際に3エリアのOMさんとQSOして問題ないことを確認しています。OMもPICでDDS-VFOをつくり実際にそのトランシーバーでONAirされていました。たのしいQSOとなりました。また、このDDS−VFO(VFOsys改)についても興味を持ってくれましたので、とてもうれしく思います。
実機で確認した時のTS820とTS820DDS−VFO(VFOsys改)の並びです。
100円でオークションで落札のパネルが綺麗です。私のTS820のPLATEとDRIVE
ツマミにはゴムカバーを掛けて回しやすくしてあります。Hi!
右側からの写真です。
左側からの写真です。
後日、他の周波数帯で問題が無いかの確認を行いたいと思っています。
実機での問題確認は絶対早めにした方が良いというのがあらためて身にしみた日になりました。
つづく?