菊水の40MHz、デジタル・マルチメータ付きのオシロスコープを35年前に秋葉原の測定器センターで当時価格10万円で購入したが、ついに壊れてしまいました。長年使ってきたアナログオシロスコープですが、どうしても代わりのものが欲しくて、新品購入も考えていたのですが、先ずは安いもので、HFまで何とか使える200MHzのデジタルオシロスコープを探しました。ヤフーオークションで同じメーカーのKIKUSUIのストレージ付きのDEGITAL OSSILOSCOPE COM7201 200MHzが何か気になりリードアウトが表示されているので、もしかしたら大丈夫かと思い落札しました。動作保証が無いものでしたので、動いてくれればいいと思っての落札です。落札後支払いをすませて、2日後に着弾しました。早速パネルとケースを軽く拭いて、電源を即入れ動作確認しました。結果は、リードアウトの表示はするものの、輝線が見えません。動作不良のオシロスコープのようです。落札価格は5700円+送料を払っていますので、何とかしないとという気持ちです。動かない時のガックリ感はありますが、久々の修理トライです。予め動作の補償なしで落札しているので、文句は言えません。同タイプのオシロスコープは持っていないので、部品取りにもなりません。とにかくケースオープンです。頼りは、今ある10MHz のオシロスコープで信号を追いかけて、見てゆくしかありません。
ちなみに、取扱説明書は菊水のホームページにありましたので、ダウンロードしました。この当時の取扱説明書には、購入時の性能を保つための、調整方法も載っていますので、一通りやりました。フォーカスもリードアウトの信号で問題なく調整出来ています。この機種は自己校正の機能があり最初の状態でやってみましたが、問題があればエラー表示されるとありました。(SELF CAL ERR)エラー表示は出ないですんなり完了しています。自己校正は問題なくて、輝線がでないという不思議な状態です。
最初にCH1から入力に本体にCAL出力(0.5Vp-p)の矩形波出力が出ているので、この信号で追いかけ見ることにしました。信号自体は、問題なくVOLT/DIVでレンジを変えるとちゃんと信号もレベルが変わります。SWEEP信号も確認しましたが、A,B TIME/DIVでSWEEP波形も回すと周期がきちんと変わります。ここでオシロスコープの回路自体は問題なく動作している。となります。すれば、波形を表示する為の回路に難があるということになります。色々と見ている内にCH1のPOSITIONのつまみを回し他状態で、輝度を上げると、矩形波の下側がかろうじて見えることに気が付きました。何かDCオフセットがずれている感じです。VOLT/DIVを矩形波が見える範囲で切り替えながら、回路の各ポイントでのレベル変動のある箇所を探ってたりしてみました。がそれらしき箇所は見当たりません。ここで少し行き詰まりました。
少し冷静に考えてみて、次のようなことをやってみることにしました。KIKUSUI独自のハイブリッドのユニット部がたくさん使われています。資料が無いのでブラックボックス状態のユニットです。これを初段から順番に外してみることにしました。最初のCH1の後にあるユニットを外してみます。が何も出ません。元に戻し、次のユニットを外してみました。すると輝線が横に1本出ました。ここのユニットで波形表示をしていそうなのが分かります。CH1とCH2は同じユニットなので、入れ替えてみたりもしました。またもとに戻し、次のユニットを外して変わらずで、もとに戻し取り付けると、何とPOSITIONでゼロ点をスコープの中心に持ってこれます。上手く波形が出てきました。この状態で、最後のユニットもはずすと、ラムエラーが出ます。外した為のエラーです。もとに戻しました。波形はまだちゃんと出てています。おそらく、ユニット部の端子の接触不良があったのでしょう。このオシロスコープを開けた時には、カーボンがケースにも、高圧部のケーブルにもケーブルの色が見えないくらい付着していました。これらが各端子の酸化膜となり、コンタクト不良を起こしていたのではないかと思います。全部のユニットを抜いて刺してを数回行い、酸化膜をが取れるようにして、挿し直ししました。勿論、高圧部のカーボンも、線材に着いたカーボンも、ケースのカーボンもすべてキレイ拭き取り清掃しました。
この後に自己校正を行うことで、更に自動で1CH、2CHは上手く表示出来るようになりました。

SELF CAL 中 最初の頃の写真なので、パネルは少し汚れたままです。
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CH3とCH4は波形は出ますが、位置がずれています。これは、自動での調整ではなく、VRでの位置設定をしてやることで、問題なく表示出来ました。パネルも少し清掃してます。Hi!

CH1の動作
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CH2の動作
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CH3の動作
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CH4の動作
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フィーチャーのストレージも問題なく動作して、記録できています、修理箇所を探りながら、若干VR類をいじっていたので、表示位置がずれていましたが、これも、後からの調整で問題なく表示位置の調整は出来ています。このデジタルオシロスコープはデジタルリードアウト機能があり、指定した周期間の周波数表示、振幅表示が出来ます。ある程度精度のある信号源として、1940 MULTI FUNCTION SYNTHESIZER を使い、オシロスコープのリードアウトレベルの調整を行いました。
ケースにもカーボンが付いていたので、洗剤とクレンザークリームで汚れを落としました。つまみ類はまだ汚れ落としはしていませんが、暇を見てやろうと思います。新しく、はないですが、測定器の仲間入りになりました。メインで使っていくオシロスコープになります。オシロスコープはDDS-VFOを製作するには欠かせません。ちなみにざっとですが今回のオシロスコープで1KHz と20MHz の信号レベルを比較してみました。出力レベル1KHz で500mVp-pに対し20MHz では400mVp-pまでレベルが下がりました。信号波形は多少減るものの、十分実用的に使える範囲のレベルです。また、820のVFO出力周波数の高い方の5.5MHz でも比較しましたが、1KHzと全く同じレベルの500mVp-pです。5.5MHz は全く問題は有りません。

古いオシロスコープで年数ものは、特に様々な端子コネクタ自体の酸化による接触不良が原因で動かないものが多いと思います。抜き差しでの修理はTS−820の周波数カウンターユニットのジャックコネクタと本体のプラグでもありました。しばらく使わないで、廊下に置いておいた為、カウンターユニット基板のジャックとプラグ端子の両方が酸化したことが原因でした。この時は接点復活剤を綿棒で端子に塗り抜き差しを数回やることで安定して周波数表示するようになりました。同じような端子の接触不良が原因でした。ニッパータイプの金属の爪切りでも、ピカールで磨いて、1,2ヶ月たつと、アっと言う間に表面が白っぽく酸化してきます。測定器も30数年経てばもう、かなりの酸化膜が金属表面を覆う事が想像付きます!

ついおとといに液晶タイプのロジアナも、液晶表示が突然消え、回路は動いているようですが、表示だけが壊れてしまいました。ロジアナも探そうかと思っています。最近は30年以上前の計器類が、次々と寿命がきて壊れる時期に当たってる感じです。古いものはしょうがありませんが、使い慣れたもの程、本当にガックリしてしまいますね!

今回のオシロはオークションで落札失敗したかと思いましたが、何とか故障状態から復活再生してくれました。

つづく?