昨日、パーツが届いたので、早速OPアンプの電圧変換回路をブレッドボードに組んでみました。
回路は、ネットの知恵袋での検索で、質問者に対する回答の回路に、いいのがありましたので、そのまま使ってみる事にしました。

■使用する実験回路
範囲を選択_364

OPアンプICは2個入りのJRCの7062Dを使用しました。1個で回路が出来上がります。

本来の入力電圧範囲は0.0V〜3.2Vですが、回路は1-5Vを0-10Vに変換する回路なので目的とは違う感じですが、これが実は思うに都合よく動作してくれると思ったからです。それは、電源投入時の初期時のポート出力電圧でのバンド開始点が必ず10MHzを設定して、それから目的の設定バンドへ切り替わり動作するというルーチン動作に出来ると思ったからです。多少検出電圧がでたとしても、ICOMの仕様で、必ず0〜1.2Vの範囲の電圧では10MHzになります。その後にFT-2000DのBAND-DATAで設定されたバンドに切り替わるという流れです。

なお、参照した回路図でので電源電圧は12Vですが、今回は9V電源電圧で行なっています。出力の最大が1.8/1.9MHz時が中心7.5V (範囲7.0〜8.0V)なので最大で8V出力です。RAIL to RAILのOPアンプなので電源電圧最大近辺まで出力するということで9Vにしています。ただ、マニュアルを見直したらFT−2000DのBAND-DATA出力端子には13Vの出力があるので、OPアンプ供給電源用13Vでやり直す必要があります。ESP32DevKitCには13Vを5Vレギュレータを通して供給します。他に回路用の電源を別途用意せず、FT-2000DのBAND-DATAソケットから回路全部の電源を供給することにします。
13V電圧変更については先ずは間違いなく動作する電圧が発生できるかの確認なので、見直しはあとにすることにします。

実験ボード(安かったので今回新たに2つ購入した内の1つです。)
早速今回のテスト回路で使いました。
ESP32-AND-OPampCIRCUIT

ICOMのバンド設定電圧をグラフに書いてバンド幅の電圧とバンド同士の
区間電圧幅も前もって確認してあります。結構バンドとバンドの間は
電圧差幅がもうけられています。不感(不設定)地帯? 
このグラフをみているとゆとり幅電圧区間(不感地帯)があったのが
50MHzが後から付け足してなくなってしまっている経過が分かります。
(24/28MHZと10MHzとの間に無理やり設定した感じです。)
(50MHzがない状態でゆとり幅電圧区間があった24/28MHz,10MHzは
50MHzに対してゆとり幅電圧区間が無しになってしまってます。)
ICOM-BAND-VOLTAGE

ESP32DevKitCのD/Aコンバーターの出力を設定するN値(0〜255)を
手動で入力してバンドの区間中心電圧になるN値を最初に求めました。
また各中心値N時の出力電圧、OPアンプの電圧変換出力電圧を測定
してみました。わかりやすいようにX軸はN値、Y軸はOPアンプ回路の
出力電圧でグラフにしてみました。(周波数帯も記載)
黄色の50MHzはICOM IC-AT100ではないので実際は使いません。
FT-2000DではアンテナAをICOM IC-AT100に繋ぎ1.8MHzから29MHzまでの
利用となります。50MHzはIC-AT100が対応してないので、アンテナ切り替え
のBで使う方法で運用することになります。

■各バンドのD/A設定値Nに対する出力電圧
BAND-VOLTAGE-OUTPUT
N値に対してとてもリニアに出力電圧が変換出力出来ています。

上記のグラフより8ビットのD/A出力での0−3V(実際は1.23V〜3.12V)
がOPアンプ電圧変換回路で0-8V(実際は0.00V(N=0〜96)〜7.92V(N=255))に
変換出来ています。

D/AでのN値での出力(Δは中止値との差分電圧)
(OPアンプの入力電圧)は以下の通りでした。
N          OUTPUT      周波数帯
247 ----- 7.51V (Δ+0.01V)------- 1.8/1.9MHz
222 ----- 6.26V (Δ+0.01V)------- 3.5MHz
202 ----- 5.25V (Δ±0.00V)------- 7MHz
181 ----- 4.24V (Δ-0.01V)------- 14MHz
161 ----- 3.23V (Δ-0.02V)------- 18/21MHz
142 ----- 2.27V (Δ+0.02V)------- 24/28MHz
129 ----- 1.60V (Δ±0.00V)------- 50MHz
108 ----- 0.58V (Δ-0.02V)------- 10MHz
96以下 - 0.00V (---------- )------- 10MHz
設定Nでの出力の差は大きくても±0.02でした。素晴らしいと思います。

入力電圧と出力電圧は手持ちのマルチメータで測定しました。
(7MHz(N=202)のときの測定値です。上が出力電圧、下が入力電圧)

MULTIMETER
入力電圧値は特に気にせずN対出力の関係を重視しています。

なおバンド間でゆとり幅のない50MHzと隣接してる箇所は
以下の通りでした。参考データです。Hi!
(実際使うIC-AT100では50MHzがないので隣接は無しです。)

■10MHzの設定電圧1.20V上限の上下N値と出力電圧
N          OUTPUT      周波数帯
121 ----- 1.23V(Δ+0.03V)------- 50MHz
120 ----- 1.18V (Δ-0.02V)------- 10MHz 

■24/28MHzの設定電圧2.00V下限の上下N値と電圧
N          OUTPUT      周波数帯
137 ----- 2.02V (Δ+0.02V)------- 24/28MHz
136 ----- 1.97V (Δ−0.03V)------- 50MHz

後先になりましたが、各バンドの区間電圧範囲(仕様)です。
1.8/1.9MHz (7.00V〜8.00V) 中心 7.50V
3.5MHz      (6.00V〜6.50V) 中心  6.25V
7MHz         (5.00V〜5.50V) 中心  5.25V
14MHz       (4.00V〜4.50V) 中心  4.25V
18/21MHz  (3.00V〜3.50V) 中心  3.25V
24/28MHz  (2.00V〜2.50V) 中心  2.25V
50MHz       (1.20V〜2.00V) 中心  1.60V
10MHz       (0.00V〜1.20V) 中心  0.60V

D/Aコンバーターの分解能が不足するかと思いましたが、全く
問題ない電圧に設定できています。

また、参考回路には記載してありませんが、LPFをOPアンプ出力側に入れて
平滑化してあります。コレはとても重要で、オシロでの出力波形を見ると
リップル的に波形が時々変化がみられます。D/A出力電圧は設定Nに対しての
出力変化は±0.005V以下です。
OPアンプ出力にLPFを入れての電圧変化は大きいときで±0.02Vです。リニアに
倍率がかかるので大きくなっています。ただし、この変化幅電圧は設定区間の
N値巻算ではN≒±1以下と微小です。
上記の変化幅を大きくN±1として見積もりし、実際の7MHzではどうかを
みてみました。検出区間のN値は下記となっています。
下限5.00V  N値=197
中心5.25V        N値=202
上限5.50V        N値=207
中心電圧のN値に対しN±5が7MHz区間検出幅です。
電圧の変動は大きく見積もっての±1カウントですからこれ以上には
なりません。
上記より検出範囲区間でのゆとりNの値は間違いなく±4カウント幅あります。

まだまだ検討することが沢山ありますが今回のテスト回路での実験はD/Aコンバーターを使い目的の電圧設定ができたという点で成功ということにします。

今回の実験でICOMチューナーのバンド設定電圧が準備できたことにして、次はFT-2000DのBAND-DATA出力4BIT(D3,D2,D1,D0)を入力して周波数帯を検出するルーチンをコーディングしてゆきます。簡単なIF文のAND処理でD/Aを既にスケッチしたESP32DevKitCで追加コーディングしてゆく予定です。

つづく?

オシロスコープで入力のDC信号のリップルと、出力電圧のリップルをみていると、どうもESP32DevKitC自体からのノイズではなく、周期的な変動があるような波形をしてることから、確認できる電源も幾つかあるので、変えてみることにしました。確認したのは、PC本体に付いているUSBポート、PCに拡張のUSBポートを別電源で供給しているポート、ACタップに付いているUSB電源、そしてAUのバッテリーからのUSB電源の4つを繋ぎ変える方法で試しました。オシロスコープではACカップリングで交流成分をみていきます。レンジは入ロ側も、出力側も 5mV/DIV です。

①パソコン本体に付いているUSBポートでの電源供給では、かなりノイズが多くでていました。
上が出力側、下がD/A出力側の波形です。かなりランダムに変化していました。
PC本体

②PCの裏側にあるUSBポートから拡張USB(別電源)に繫いでもノイズがあります。
特にD/A出力側がノイズ成分があります。パルス成分もあり、ランダムに変化しています。
拡張USB

銀色のUSBコードです。
PC拡張USB

③ACラインタップに付いているUSB電源
出力側は安定している波形で若干電源ハムが載っていいる感じです。
D/A出力もACの誘導がありますが、若干のノイズの重畳です。
ACラインタップUSB

ACラインタップに付いているUSB電源
ACラインタップUSB電源

④携帯用の充電用バッテリー(au)
出力側に電源ハムの誘導があるがノイズは少ない。D/A出力もさほどノイズは
ほんの少しある感じです。
auバッテリー

回路にauのUSBバッテリーを繫いだ状態でオシロスコープで観察
au電源USB

という事で、出力電圧の変動が大きかったのは、PC本体のUSBを使った場合で、見るに耐えない程、ノイズだらけのDC電圧出力となっています。PCの拡張USBを使った場合もノイズがあります。実験ではこの拡張USBに繫いで実験していました。これは本他のPCからのノイズが元なので、多少は少なくなっていますが電圧変動の原因になっていることが分かりました。PC本体に繫いでみると出力電圧は、驚く程電圧変動していました。ACラインタップでは出力電圧は安定しています。入力側のD/A出力に若干AC誘導とノイズ重畳がみられました。auのバッテリーUSB電源では、驚くほど出力電圧は安定していました。D/A出力もほんの僅かな問題とならない程度のノイズ重畳でした。

上記より実験で使用拡張USBの電源供給元がノイズを発生していた為に、マルチメータでのDC電圧変動が起きていた(数値がパラつく)事の様です。

以上より、プログラムをコンパイルして書き込み時は必ずPCに繫いだ拡張USB端子を使わなければならないですが、調整、アジャスト時等はピュアなUSB接続電源を使う必要があることが判明しました。出力変動は±1mV〜±1.5mV位で、最大でも±0.0015Vでした。±0.02Vは、ほぼノイズ成分が載った出力電圧を測定していた事になります。
各バンド中心電圧のD/A出力の設定値確認をし直す必要がでてきました。OPアンプへの電源供給を13Vにするのと合わせて、また、最初から各バンドの設定電圧となるN値確認をし直したいと思います。
また、ESP32の電源用としてDC5Vのレギュレータも用意する必要があります。5Vのレギュレータも発振等がないかもオシロスコープでの確認は必要です。

しかしながら、波形観測下PCのUSBのポートの電源は、ひどいノイズだらけです。昔のVISTAを使っていますがPC内のバス接続ケーブルへのノイズ対策はしてあるようですが、USBポートの電源に関しては、ノイズ対策はされていなかった機種なのかもしれません。微小信号を扱う場合は電源に気を付けてノイズ確認の上で実験する必要がありますね。
とにかく、やはりオシロスコープでの入力信号、出力信号の波形観測(確認)は必要です。Hi!

マルチメータの電圧数値の10mV桁のパラつきの原因が分かりましたので、まずは、めでたしめでたしです。今後につなげます。

つづく?