3.5MHzセンターローディングアンテナの共振周波数調整コイル取り付けを昨日実施しました。天気はとても穏やかで風もさほど無く、絶好のアンテナ設置日和でした。前もって共振周波数調整用の追加コイルを3点作製しておいた中の1つを選び、追加設置しました。
追加Lは一番下のn=1のコイルです。
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前もって作製済みの巻き数1ターンのLを取り付ける事にしました。最初のカットアンドトライになります。うまくいけばこの1回目で追加Ⅼ設置完了です。
タワーに上り,3.5MHzのエレメントをバランボックスから外して、エレメントとバラン間に追加Lの取り付けです。給電部がマストの近くにある為、L追加作業はいたって簡単にできました。まず追加Lの取り付け後の端子のテーピング処理はせずに共振周波数の確認の為、一旦タワーから降りました。結果はおよそ目的周波数に近くになっていました。再度タワーに上り、各接続端子(エレメントとコイル間、コイルとバラン間)を融着テープで保護巻して完了です。数回のカットアンドトライを想定していましたが、1回でOKとなりました。

追加LでのSWR特性と共振周波数の状態をネットワークアナライザーで確認しています。
以下共振周波数、とSWR特性です。タワー上のアンテナの高さを変えても測定してみました。

★現状の3.5MHzセンターローディング短縮ダイポール
【現状】高さ約10mH
f0=3.575MHz, SWR≒1.51
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【L追加】高さ約10mH
f0=3.556MHz,  SWR≒1.34
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【L追加】高さ約25mH
f0=3.565MHz,  SWR≒1.33
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結果から言うと、目的の共振周波数は3.550MHzでしたので、10mHの高さでは、+5KHz高いですが、ほぼ目的通りになったと言っていいと思います。SWRもコイルを追加したことで、SWRが1.51から1.34に下がりマッチングが少し改善した様です。ただし帯域が鋭くなっていることから、インダクタ追加により帯域は少し狭くなったようです。
高さを変えて測定した結果より(10mHから25mH)高くなるとアンテナ-大地間の容量が減り共振周波数zが3.556MHzから3.565MHzへと約9KHz上がる事がわかります。測定はしていませんが、L追加前のアンテナの高さ25mHでの共振周波数は約3.584MHzぐらいになっていたと思われます。
10mHではインダクタ追加で19KHz共振周波数が下がりましたが、25mHへと上げると9KHz上りました。
追加前のアンテナとの比較を想定すると(25mH時の想定比較)タワーを伸ばした状態での使用時でのL追加による共振周波数は、3.584MHzから3.565MHzへと約19KHz下がったことになります。

ついでにSWRが1.5以下と2.0以下でのおおよその帯域も手動で確認してみました。
SWR=1.5以下 ⇒ 3.540MHz~3.570MHz(幅約30KHz)
SWR=2.0以下 ⇒ 3.510MHz~3.589MHz(幅約79KHz)

L追加での共振周波数の調整はまずまずという事でOKとしました。(使用時の高さを10mH〜15mHでの使用)

補足:アンテナチューナーのごまかしについて
短縮コイルが入っているアンテナはどうしても帯域は狭くなります。ですので共振周波数から離れた周波数での運用は、カップラーやアンテナチューナーは無線機を保護する意味でも必要になります。しかしアンテナチューナーを使い、見かけ上のSWRを1.0にしたとしても、もともとのアンテナのSWRが高ければ、チューナーの後にパワー計をつないで見てみればSWRは高いままで変わっていない,という事に気づかなければなりません。つまりアンテナとチューナー間はSWRの反射電力が変わらず高い状態であるという事です。結論はアンテナ自体の整合をとる事がベストという事です。皆さん一度通過型のパワー計で送信電力と反射電力をチューナーとアンテナ間に入れて確認していろいろな周波数でチューナーを調整し運用してみれば、一目瞭然です。アンテナチューナーのマジックはあくまでも、無線機とアンテナの接続保護用と思った方がいいと思います。私も、下記のパワー計を使うことで上記の事を納得できました。SWRが最下の共振周波数での運用はベストですが、それ以外の周波数での運用時はこのことを思い出さないといけませんね。

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SWR表示や電力効率でもいいのですが、実際反射電力が何Wあるのかを見れるのでとても良いと思っています。送信電力200Wで反射電力が1W等、目盛りで直読できます。反射電力が直読なので運用上アンテナの状況もSWRと同様に分かります。このようなパワー計もある意味で便利です。

最後に工人舎のアンテナや STEPPIRなどは、常に共振周波数での運用ができる究極の素晴らしいアンテナと言えます。使って見たいものです。

つづく ?