シャックに置けなくて、廊下に保管状態で置いてたTS-820を持ってきて、電源を入れてみました。ここ1年は電源を入れていなかったと思います。局免上もまだ登録してある無線機です。なんと、あらま!周波数の表示がおかしくなっています。状態は一番上位の十位の桁が”0”表示です。他は問題なく表示されています。早速TS-820の上側ケースを開けて、周波数カウンタの端子のあたりを探ってみました。電源も確認してみましたが、問題ありません。表示管からの端子の抜き差し程度では、改善する気配は全くなく、バンドSWを回して確認しますが、上位桁は”0”のままです。ネット情報を見ると、現象は異なるとはいえ、TS-820の周波数カウンタの修理は山ほど情報がありました。オプションのカウンタの基板のスルーホールのクラックが一番多い原因となっている様でした。
周波数カウンタユニットをはずすのは初めてです。裏側のケースを外して、周波数カウンタユニットを取り外してみました。裏側からタッピングビスを4本外すとユニットは外せます。オプションとなっているので、取り付けは簡単にできるようになっているようで、外すのも簡単です。と言いたい所ですが、裏側からの配線ハーネスの取り外しがなかなかきつくて抜けなくて、結構大変でした。さて、まずは、カウンタユニットをシャーシから外し、表示管もはずして、裏側のケース上で周波数が見れるように組みなおして、電源を入れNG状態が再現するか確認です。トホホ やはり、”0”表示は同じです。一応バンドSW毎の周波数表示を全部チェックしました。

改善前の各バンドの周波数表示

JJY/WWV                                            1.8MHz
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3.5MHz                                               7MHz
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14MHz                                                  21MHz
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28MHz                                                28.5MHz
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29MHz                                                29.5MHz
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18MHz(AUX)
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早速カウンターユニットケースを分解してみました。基板は上下に接続端子で基板どおしが接続される回路構成となっています。早速、一番多い原因のスルーホールの半田部分を確認です。基板を外してパターン面を虫眼鏡で見ましたが、多くの原因のような半田不良はこれと言って見つかりませんでした。比較的きれいな基板の半田面でした。念のため、もう一つの基板も外してみてみましたが、なんともないようです。半田ゴテを使うような個所は無い様です。一旦、組み立て直して、コネクタを取り付け、周波数を見てみます。するときちんと表示しています。基板の取り付けねじをつけずに、基板を1mm程度上下させてみるとNGな”0”表示が再現します。基板どおしをつなげている端子の接触不良のようです。端子に接点復活スプレー(通電復活)
(株式会社エーゼット)で対策です。綿棒にスプレーをかけて、これで端子に塗り付ける方法をとりました。他への飛散がないようにする為です。意外と不思議な事に基板を外すときは抜くのに若干力が要りましたが、接点復活スプレーを塗ったあとは、とてもスムーズに端子が取付、取り外しが可能になりました。

改善した周波数表示
JJY/WWV                                            1.8MHz
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3.5MHz                                               7MHz
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14MHz                                                21MHz
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28MHz                                                28.5MHz
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29MHz                                                29.5MHz
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18MHz(AUX)
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以前にPICの書き込みの時も、しばらく使ってなかった状態で同じように型番設定する際のジャックとプラグとの接触不良がありました。金属端子の表面に酸化膜ができて、絶縁状態になったためでした。今回も同じ現象だと思います。ニッパー型の爪切りでもピカピカの表面で輝いていたものが、数か月も経つと表面がくすぶった感じになって輝きがなくなります。同じような事が、端子で起きたのでしょう。廊下に置きっ放しでしたから!
原因もわかり、TS-820のケースを全部外したついでに、各VRに接点復活スプレーをかけました。AF VRもRIT VR も少し、ガリっていましたが、ガリもリットの周波数飛びも改善しました。他のVR(IF SIFT VR ,RF GAIN VR,MIC VR,CAR VR)にもスプレーしておきました。TS-820は外部VFOを接続して使いますが、外部VFOの周波数もダイヤルを回していると消えたり、周波数が飛ぶ状態があったので、これもケースを外して,VFOについているアルミを外し、バリコンの回転部にも接点復活スプレーをかけました。これで、VFOの不具合は、全く発生しなくなりました。
今回は、基板どうしをつなぐ端子とコネクタ間でしたが、長い間使用しないと、いたるところの金属端子の酸化膜によるトラブルが起きやすくなるようです。今回のようにコネクタと端子なども時々メンテナンスが必要なことがわかります。つながっているから、問題ないや!と、つい見逃してしまいがちです。酸化膜をなくすには取り外し取り付けの単純な作業で治ることも容易に理解できます。とにかく手を掛けることが大切なことがわかります。

つづく?